親父の小言とボディーブロー

人生折り返しの子育て世代。世知辛い世の中を面白く生きるためのあれこれと雑記

野菜を作り始めた

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家を買ったら野菜を作ろうと思っていた。

最終的に、その一歩を踏み出すことができ、実際この春から夏は家具をそろえたり家電をそろえたりということよりも畑づくりに精を出してきた。

この顛末について、北国の短い夏が終わろうというタイミングで記しておこうと思う。
自分にとっては備忘になるし、縁あってこの駄文を見る方には、ここにたどり着いた動機に照らせば多少の参考になるものなのかもしれないと思うからである。

 


野菜づくりの我がバイブルについて

何故野菜を作ろうと思ったのかというと、直接的にはこの本の影響が大きい。

詳細に述べるのは別の場に譲るとして、要するに自分で食料を(少しであっても)得られることは安心を買うことに等しいということである。

  • 金がなくなっても育てればいいという安心

  • どこの国の誰が作ったかもわからないものと違って自分で作ったものという安心

  • 子供に与え、教えられるという安心

と、いろいろな安心があると感じている。

 もう1冊、参考にした本がある。

こちらはもう、参考というか、ほとんどマニュアルである。

まったくの素人でも、ほんの少しの土地さえあれば、ここに書いてる通りにやることでおおむねうまくいくということを身をもって体験した。

以下、この本に従ってやってきたことについてまとめたい。

 

なお、この本はタイトルから察せられるように、自然農法という、ある意味特殊な方法のマニュアルであるので、普通の家庭菜園の参考にはならないと思われるので付け加えておく。

これも別の機会に譲るが、農薬も肥料も使わない、水も与えない、耕すのは初めの1回きり、雑草も抜かないというやり方だ。

最大のメリットは楽で安心な野菜が得られること、デメリットは農薬を使わないので虫に食われる、雑草が見栄えが悪い、収穫量が落ちる(安定しない)などと言われている。

 

畑づくりについて

今にして思えばバカな話だが土があれば野菜ができると思っていた。
 

いや、出来るのだが、ひと手間をかけないとできない。
 

まして、住宅地の土地というのは栄養分がなく、掘れば石やらがれきやらがエンドレスに出てくるなどはザラである。

自分の場合はがれきこそ出てこないが超がつく粘土質であった。

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荒野感

 

畑をやっていたような土地とか、すでに草が生えているような土地なら手間もそれほどでもないのだが、自分は山の土を地道に運んだ。

粘土に栄養分を混ぜても所詮は粘土で使い物にならないので、畑の基本素材をよそから持ってくることにしたのである(客土というやつ)。

量も量なので、ホームセンターで買っていたらバカにならないというのも大きい。田舎育ちというのはこういうときに役に立つ。

かくして、必要だと書いてあるものを以下のとおり調達した。

  • 黒土(畑の基本素材)→自分の田舎から調達(タダ)

  • 完熟たい肥→農家の人が無人販売で格安で売っているのを調達

  • もみ殻燻炭→産直で格安で売っているのを調達

  • 米ぬか→コイン精米所から調達(タダ)

これらを混ぜて、本のタイトルのとおり1㎡の正方形の畝を作り、2週間おいて(微生物の働きで土が立ち上がるのを待つ期間)から種やら苗やらを植えるのである。

一番大変なのは黒土の運搬である。わずか1㎡の畝を作るのに、黒土の運搬からやると1日かかるが、別にいつまでかかってもよし、いつかは終わるだろうと言い聞かせて少しづつやっている。この作業は来年以降も続くであろう。


野菜作りについて

ようやく野菜だが、どんな野菜を、どういう組み合わせで作ればよいかもすべて上記の例の本に書いてある。

組み合わせというのは、コンパニオンプランツというが、お互いの成長を助け、害虫をよけあったりする相性の良い植物のペアのことをいう。

自然農法は、こうした植物の本来の力を利用するというのも大きな特徴である。

以下、植えたものとその成果を記す。

(1)トマト、バジル、イタリアンパセリ、落花生

 ※これらは、マニュアルに従い、すべて同じ区画に植えたもの。つまり、この組み合わせは良いということである。

  • トマト 1/3ほど虫に食われた感。また形がいびつであるが、子供たちに一から作った野菜をその場で食べさせることができたのは何よりの収穫であった。味は格別であった。

  • バジル 虫にも食われず、切っても切っても増える。同じ時期からベランダで育てたものは伸びないから、太陽と土の力を感じる。

  • イタリアンパセリ バジル同様成績がよい。茂る割に使い道があまりないのが玉に瑕である。

  • 落花生 発芽すらしなかった。そういうこともあるのだというのも学びである。 

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見栄えは悪いがほっといても育った

(2)枝豆、ニンジン
  •  枝豆 種から育て、間引いて最終的に12株を残した。すべてビールのつまみとして美味しくいただけるレベルのものができた。ほかの植物とも相性がよいものがあり、来年度はもっと数を増やしてもよさそうだ。もっとも簡単だったように思われるので、おすすめ。

  • ニンジン 収穫はまだ先のよう(10月以降)だが、葉っぱの調子からは順調に見える。

(3)ラディッシュ、ルッコラ

これらは、マニュアルには載っていないが、種が余っていたので適当に巻いたら育ってくれたのである。

組み合わせもどうなのかは知らない。使い勝手の良い野菜で、丈夫であることも分かったので引き続き作っていこうと思う。

しかしベランダ菜園なら水切れで枯れるというのはあるが、ほっといても育つのだからやはり庭は良い。

 


夏野菜のシーズンは終わりつつあるので、今後は秋冬野菜を植えていくことになる。

ここでも、(1)の後にはレタスやキャベツがいいとか、(2)の後にはホウレンソウやゴボウがいいとか、同時期の組み合わせと、一方が終わった後の組み合わせがあるという。

これにより、野菜の本来の力を利用しながら、連作障害も抑えつつ楽して野菜を作り続けられるというのだから最高だ。

小括

今年は初年度で勝手もわからず、しかも短い夏とはいえ暑すぎて作業不可能な日もあるなど、思うように進められなかったし、もしかしたらそんなに甘いものではなく全て枯死あるいは虫食いなど、収穫は見込めないのではという不安もあったことから考えると、上々の成果であった。

 

やはり太陽と土の力は偉大だ

 

それと、相性の良い野菜というものがある、野菜の力というものがあるということを実感することが、わずかであるができたように思う。

何より、2、3個のトマトではあっても、小さい子供に、庭で直にもいで、その場で丸かじりするという経験をさせることができたのは非常に充実感がある。

また、虫がいても、それらは意味があって存在することや、悪い虫はカマキリが食べてくれることなどを実物を見ながら教えることができたのも親としてはうれしいものだった。

 

野菜作りには安心だけでなく多くの得るものがありそうだ。