親父の小言とボディーブロー

人生折り返しの子育て世代。世知辛い世の中を面白く生きるためのあれこれと雑記

中古リフォーム物件の実際について

賃貸か持ち家かという永遠のテーマと向き合い、最終的に持ち家派となったという件について、以前書いた。

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早くもこの間に3か月以上の月日が経っていたというのに驚いたが、この辺りで(いささか早いかもしれないが)、よかった点とそうでなかった点について振り返り、御関心のある方の参考に供したいと思う。

 

 

まず、私が買ったのは築20年のリフォーム物件である。

 

それってどんな感じなの?後悔することになってないのか?

 

そうした疑問に答えられたら幸いである。

 

よかったこと

1 あれこれ悩まなくてよい

 案外、精神衛生上たいへん良いと思っているのがこの点である。

 

 3か月といえまだまだ生活を本格化させるに至っておらず、それなりにクリアしていかなければならない事柄が多いのであるが、中古住宅はそのストレスが少ない。

 

 すなわち、一から建築する場合を考えてみると、当然だがあらゆる物事を自分で決めなければならない。間取りは言うに及ばず、屋根、床、外壁の色や素材、蛇口の形状にいたるまで枚挙に暇がない。

 

それを選ぶのが楽しいのだ、という反論が容易に予想できるが、経験上それは多くの場合勘違いである。

 

 たしかに自分の好みが反映された、自分だけの城ができていくのを見るのは楽しいに違いない。しかし、大体の人にとって予算には限りがあるので、自分の好みをすべて叶えられるものではない。おまけに決めなければならないことは多岐にわたり、たいていのことはどうでもよくなってしまうものだ。

 

 カーテンだの照明はその数少ない自分の意見が反映できる楽しい部分だが、それは新築だろうが中古だろうが一緒である。

しかも新築の場合は落とし穴があり、これも経験上言うのであるが、間に住宅メーカーが入っていると、カーテンや照明もさもサービスであるかのように面倒を見てくれるわけだが、当然儲かる商品を進めてくる。選択肢はそれしかないかのようにである。

買う方も、自分で小売店を巡るほど暇ではない(その他に決めなければならないことは山ほどあるのだ)し、高いと思っても何千万の買い物の前には屁みたいなもの。ついそこで思う壺に割高なものを揃えてしまう。

 

かくして、新築の場合、あれもこれも決めなければならない割に、それほど自分の考えは反映されず、反映しようと思ったら、あるいはそうでなくとも、決めるたびに何かと金が(しかも割高に)かかっていくというものなのだ。

 

一方中古だと、当然だが大抵のものは決まってしまってそこにある。多少ここは自分だったらこのようにはしなかっただろうなと思っても、考えても仕方ないので諦められるのである。もちろん、総合的に気に入って買っているのだから、そんな気になるものはないのであるが。

 

 また、自分でいきなり大規模リフォームでも入れない限り、金のかかる工事や造作を進める者もなく、落ち着いて好きなものを考えることができるのである。

 

 

2 庭がある

 ところで、賃貸ではなく購入を選んだ決定的な理由の一つはここにある。

 庭や畑をやろうと思ったら、賃貸では絶対に無理だからである。

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 もっとも、これは新築だろうが中古だろうが庭があるものを買ったら一緒だろうと言われそうであるが、後述するように新築というのはそれだけで割高なものだから、さらに土地に金をかけるというのはなかなか大変なことだ。

 

また、地方にもよるだろうが最近の分譲地の場合、そもそも庭だの畑だのをやりたいという人のことを考えた都合のいい物件はないのではなかろうか。

 

それは、おそらく多数派の「庭とか畑にそれほど関心のない層」にとっては、広い土地は持てあますばかりか取得にも維持(固定資産税)にも余計なコストがかかることになるので、そもそもニーズは低いのであろう。

 

自分の家もそれほど広い庭ではないが、そうは言ってもそこそこ市街地でこれだけのものはないだろうというレベルではある。そしてそれを購入できたのはとにもかくにも中古物件だからである。

3 コスパがよい

 ここまで述べただけでも、中古住宅の新築住宅に比しての経済的メリット、すなわちコスパの良さは十分に説明できると思う。

 

 ここで、住宅の市場にはこれをさらに最大化する、「新築プレミアム」という現象がある。これは、一戸建てにしろマンションにしろ、新築で買うと、それだけで損をするというものである。

 新築プレミアムはいわば上乗せ価格で、なんと物件価格の1割から3割だそうであるが、5,000万円の新築物件で最大の3割の新築プレミアムだった場合は、1,500万円程度が上乗せになる、

 

つまり買った次の瞬間に即売却すると3,500万円になってしまうという嘘みたいな話である。

 

これはたぶん大げさな例えであり、もちろん「手あかがつく」ことを嫌がる人にとっては上乗せにはそれなりの積極的な価値があるのかもしれないが、それほどこだわらない人にとっては無駄なコストなので、新築に比してのメリットは、この無駄なコストがないということを含めても大きいと思う。

 

わるかったこと

1 不具合の不安

 まだその憂き目にはあっていないのであるが、中古住宅ゆえにどこかしら不具合が出るのであろうということと、それが思いのほか大きかったらどうしようという不安は、やはり一番のデメリットといえばデメリットであろう。

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 中古住宅の売買の基本は現状引き渡しである。つまり、経年劣化部分はあるがままで引き渡しますよ、ということを了承して買うので、建具が3日で壊れたと言ってもそれは買い主の責任だし、基礎にひびが入っていると言っても同様である。古いのだからアタリマエというわけである。

 

 ただ、これはメリットとのバランスを考えたら容認できるものである。

 

 まず、現状引き渡しといっても買った物件はいわゆるリフォーム別件であり、シロアリだの雨漏りだのに関しては基本的な調査と対応をしたうえで、一番ガタがくると言われる水回りを総取り替えしている(近年は一般的な手法ではないだろうか)。耐震工事もしかり。それ以外で生活に支障が出る、あるいはその対応に多額の出費を伴うというものも、そうないのではないだろうか。

 

また、引渡し前にはその時点で不具合のある建具の調整などはやってもらえる場合がある。実際に、自分はクローゼットのレールの調整といった簡単な大工仕事をやってもらった。(さすがに、例えばクローゼットの交換などというのは無理である。)

 

 古いのだからアタリマエというのを前提に、直しながら大事に使うという姿勢、マインドセットの転換が大事なのだと思う。それにより、このデメリットは払しょくされるであろう。

2 リフォームのセンスがどうかと思う

 先に述べたように購入した家はリフォーム物件である。

 

 したがって生活機能は維持または向上していると思う。が、やはりリフォーム業者はいくらかでも安く直して高く売りたいのが人情。一方で、リフォーム前の家を建てた、どこのどなたかは存じないが、こちらの前オーナーは相当のこだわりとセンスを持って家を建てたのであろうというのが伺え、この両者の姿勢の差が、なにかリフォーム箇所が一目でわかるアンバランスさのようなものを感じさせるというのが、気になると言えば気になる。

 

 また、これも売却価格を抑えるためとみているが、燃料がプロパンガスである。

 

 プロパンガスといえば導入価格が最も安く、維持費が最も高いことで知られている。火力が強いとか災害からの復旧が早いとか利点もあるのだが、震源地の上の中華料理屋でもあるまいし、あまり魅力には思えない。1年程度経過を観察して太陽光発電+オール電化といった選択肢を検討することになるかもしれない。

 

 強いて直したい、というのは唯一ここである。ということは、一番先に金がかかるのはここなのかもしれない。

 

まとめ

 日本には四季がありしかも新居の所在地は夏は暑く冬は寒く、しかも雪も降る。

 したがって振り返るにはまず1年を暮らしてみる必要があるとは思うが、備忘の意味も込めて整理してみた。

 

 総じて満足しているというのが実感であり、電力についてもプロパンは高いからという先入観だけではなく、これまた1年間はまわしてみる必要があるだろう。

 

電気料金は年々上がっていくし、こちらも初期投資がかかる話だから、果たして回収できるのか、維持費は高くともプロパンの方がましだった、なんてことにもなりかねない。

 

今回のテーマについては、また検証して書きたいと思う。もうすぐ最初の暑い夏がやってくる。