親父の小言とボディーブロー

人生折り返しの子育て世代。世知辛い世の中を面白く生きるためのあれこれと雑記

ビジネススニーカーを買い替えた

ビジネスシーンにおけるスニーカーについて記事を書いたのは、なんと3年前のことであった。

 

読み返すとビジネスシーンにスニーカーを持ち込むことをどう正当化するのかということに拘泥している感がある。青臭くて草。

 

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しかし、今やそのスニーカーは夏の定番として履き倒され、4年目を迎えようとしているのだ。世の中も、別にビジネスシーンでスニーカーを履くことを普通のこととして捉えるようになったというのは気のせいだろうか。

 

ともあれ、このスニーカーであるが、さすがに劣化が見られるということで、同じものに買い替えたので、そのインプレッションを書いてみようと思ったのである。

 

3年ぶりに同じものを買ったのが、言うまでもなくPATRICK の"PUNCH"である。

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うむ美しい。

 

実は買い替えたきっかけは靴の劣化(と言ってもソールの減りくらいだが]であるが、買い替えるまでには結構悩んだ。

 

それは、これまで愛用してきたものがシュリンクレザーの珍しいモデルで気に入っていたのであるが、すでに取り扱いがないということで、これに替えて通常のモデルを買おうという気になかなかなれなかったのである。

 

しかし、やはり底のすり減った、しかもスニーカーを仕事の場で履き続けるのも耐え難くなり、購入に至ったわけだが、定番商品と思いきや、なかなかに改良もされており、また「普通の感じ」がそこまでしない。

 

以下に改良点を述べておこうと思う。

 

さらにシャープになった

このモデルといえばロングノーズのシャープさが売りであり、そのことがスタンスミスと一線を画し、またビジネスユースにも耐えうるものにしていた重要なポイントであった。

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同じサイズでこんなに違う

 

しかし久々に出会ったこのモデルは、さらに細身になっておりエレガントさが増している。

 

個人的には前モデルは星とはいえ自分にはやや幅広で、慣れるに従ってフィット感が失われる感覚があったので、これは大変うれしい変化であった。

 

素材がキラキラしている

素材については期待していなかったのは先に述べたとおりで、普通なんだろうと思っていたら何かやたらと光沢がある。ブラックと言うよりグレーメタリックに近いと言うか。

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ラメ感

 

この点、良いとすれば普通すぎないと言うことと、キラキラしているといっても違和感がなく履けること。塩梅がさすがである。

 

好みといえばそれまでだが、やはり私はシュリンクレザーの方が好きだ。

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シュリンクレザーの年季

その他

前モデルではソールに飾りのラインが彫られているが、それがない。これはいい変化。一方、ベロのところにPATRICK1のロゴが刻印されている。これははっきりいって余計だ。もっとも、ほとんど見えないが。

またアッパーに「穴」が開いているのも好みが分かれるだろうか。ちょっとカジュアル感が出るので自分はない方がいいが、履いてみるとそれほど気にはならない。なお通気の効果はほとんどない。

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ソールのデザイン、旧モデル

 

まとめると、だらだらと悩んで購入したこの靴だが、結果として満足している。

なによりやはり同じ靴を買わせる魅力、力がある、さすがの名作靴。

デザインもさることながら、何でもかんでも値上げする昨今、これが2万円程度で買える(価格は3年前と変わっていないと思われる)というのも素晴らしい。

 

 

ちなみにこのモデルに限っては1回だけソール交換ができるらしい。

8千円程度と靴の価格からすると微妙、またアッパーもヘタってくる(とはいえ、破れなどは生じていないから耐久性もある)”のでさらに微妙ではあるが、シュリンクレザーを履き続けたければこの手もあるということになる。悩ましいが実践したら続編を書きたい。

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(追記あり)Suit-Yaでスーツを作った結果

 

Suit-Yaでオーダースーツを作ってみた

Suit-Yaとは“ネットで簡単オーダーメイド”を謳うスーツのオンラインストアです。

www.suit-ya.com

オーダーメイドスーツは店舗で店員さんが採寸して作るものであって、それをネット上で、という時点で既に可笑しな話だといえば身もふたもないのですが、とにかくこのほどこれを注文してみました。

 

動機としては、とにかく安い。私はいつも某オーダースーツ屋さんでスーツを作るのですが、同等と思しき生地を選んで作ったとして、2,3万円ほど安い。

 

もう一つ、いくら安くても身体に合わぬスーツは着れるものじゃないわけですが、今回、いつものオーダースーツ屋さんのご厚意で、私のスーツのデータをもらったので(本来ダメだそうなので、それゆえこのオーダースーツ屋さんの名称を出すわけにはいかない点をご了承ください。)、必ず身体に合うはずだという思惑があったからです。

 

サイト上のオーダーは、このいただいたデータと、サイトに丁寧に示されている採寸手順によって、容易にできました。しかし、話はそううまくはいかないのだということを知ることになるのです。

 

Suit-yaでオーダーしたスーツの実際

待つこと約1か月、スーツが届きました。

 

箱が薄いのでふと不安がよぎりますが、まずは気を取り直して開封の儀。以下感じたことをまとめます。

 

安っぽい

第一印象は、「安っぽい!」でした。

 

もちろん、失敗のリスクもあるので一番安い生地を選びましたが、それでもいつもの仕事用スーツ同様、ウール50%、ポリエステル50%でオーダーしたのである程度は期待していたものの、想像を超えて安っぽい。ペラペラです。

 

細部をみても、裏地がやたら表地側ギリギリまで攻めていて裏地がちょっと見えるとか、ラペルやパンツの裾のアイロンが強いのか雑なのか、生地のせいもあり既にアタリ(テカリ)がうっすら出ているとか、縫い目が揃っていないとか、お世辞にも作りのいいスーツには見えません。

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雑な縫製

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アタリ(パンツ裾)

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アタリ(ラペル)

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裏地が見えてる。。f:id:sonofabiscuit:20220315075704j:image

パンツのクリース(折り目)が二重。。

サイズが合わない

サイズが合いません。これには、こちらのミスと、先方のミス、そしてどっちのミスなのかわからないものとがあります。

 

最たるものが袖です。袖が長すぎる。ちなみにこれはなにか釈然としませんがこちらのミスです。

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これは酷い苦笑(左はいつものスーツ、右が今回のもの)

 

というのも、袖の長さに関しては、上に述べたように親切に測り方が示されているのですが、私には強い味方、店からいただいたサイズデータがありますので、このデータを入力してしまったのです。ところが、このデータは、今までのスーツの出来上がり寸法。

 

そして、Suit-Yaとしてはこれを実寸データと認識し、プラス3センチでスーツを作ります。意味が不明ですが、とにかく当然、「袖が長い」となるわけです。

 

同様のことが着丈でも起こりました。

 

こちらの伝えたデータを実寸と認識した結果、こちらは「マイナス3.5センチ」で作るそうなので、当然丈は短くなります。

 

長いのは詰められるものの、短いのはどうしようもないので致命的ですね。

 

あと、やっぱり胴回りは合いません。ここは難しいのだろうなと思っていましたが、想像以上にゆとりがあります。

 

これに関しては、実寸に対し、「プラスゆとり幅で仕立て」とあります。

 

ゆとり幅ってなんだよ。

 

とにかく、このゆとり幅というアバウトな基準が、思いっきりゆとりがあるということです。こればかりは、もう賭けです。そしてそれに勝つことは基本的にはできません。2,3センチも違えば耐え難い違和感を感じる世界なのですから、それを複数個所で「ゆとり幅」なるものも計算して(予測して)合わせられるわけがない。

 

かくして、袖は長く(プラス3センチ)、丈は短く(マイナス3.5センチ)、体にはフィットしない安っぽいスーツを3万円ちょっとかけて作ることになったという次第です。

 

このままででは、実用にはとても耐えないでしょう。ギリギリ作業着レベルです。

 

なおパンツのサイズの方はジャストでいうことなしでした。

 

どうやら指定したサイズどうりに仕上がってくるということは言えそうです。

 

”ジャストサイズ保証“がよくみると酷い

ところでSuit-Yaには自慢の「ジャストサイズ保証」というものがあります。送り返せば無料で直してくれるのだろうなどと考えては大違い。最寄りのお直し店(マジックミシンなど)で直し、商品によって定められた上限額の範囲(スーツだと5千円)で、しかもそれをSuit-Yaで使えるクーポンで保証するというのです。

 

しかし、まだこれを申請してはいないものの、保証の対象となるかどうかが怪しい(袖丈など自分のミスなので)うえ、どう考えても5千円では足りないでしょう。しかも、品質に大いに疑問がある人にとって、Suit-Yaで使えるクーポンに保証の意味があるでしょうか。保障じゃなく保証だからありということかもしれませんが。

 

教訓

ここで今回の反省点を整理すると以下のようになるでしょうか。もし参考になるのであれば人柱になった甲斐があります。

1 気が済むものができるわけがないと覚悟すべき

これに尽きます。

わずか3万円強の投資で、高級ではないまでもこれまで実店舗でオーダーでスーツを作っていた人が満足するスーツができるわけがないというのは、考えてみたら当然です。

 

また、例えば私のようにデータを持っていて、それを正しく伝えたとしても、店側は店独自の型紙を使うので、やっぱり出来上がりは店ごとに違うのだということは踏まえておく必要がありそうです。合うわけがないといってもいい。

 

完全に自分に合わせようと思ったら型紙から起こすフルオーダーしかないのです。だから、ある程度は妥協するという姿勢も必要になるでしょう。

 

いずれにせよこんなアバウトなやり方で、しかも一発で妥協できるレベルのものを作るというのはそもそも無理だということを理解すべきした。

 

2 自分のスーツを送るのが一番(少なくともマシ)

採寸に関しては上に述べた失敗のとおりです。

Suit-Yaには、自分のスーツを送って採寸してもらうというオーダー方法がありますので、事情が許せばこれを使えば間違いはなかったでしょう。

 

ただし、私がこれを使わなかったのは、納期が遅いのでスーツ1着がない期間が長くなることと、紛失のリスクが高そうで、その保障が十分でないという理由からでした(送った自分のスーツが無くなっても、29,800円の、これまた「仕立ての代用」での保証です。自分の大事なスーツを無くしたところに安いスーツ注文しますかね?)。

 

ここを許容できるかどうかですが、結果論ですがそうすれば失敗は少なかった可能性があります。

 

なおこうした紛失リスクと、品質・納期に影響しているのが次でも述べる「ベトナム縫製」という点でしょう。

 

3 生地サンプルを利用するべし

ところで安さの秘密は「ベトナム縫製」です。ベトナムでスーツを作り、送ってくるのです。

 

「ベトナム人の勤勉さと器用さ+日本人スタッフによる管理・検品」でお手軽にオーダーができるというわけですが、そこは否定はしませんが、コストを下げれば何人だろうが手間暇はかけられない。当然のことです。

 

またいくら勤勉で器用でもきちんとやり方を教えられる人がいなければなければ学ぶこともできないでしょう。肝心の品質管理が弱いというべきか。

 

そういう状況で、今回は安い生地で作りましたが、これを高級生地にしたらどうかと言っても、製造方法は変わらないので、やはり作りのいいスーツにはならないでしょう。

 

それを踏まえたうえで、それでも安すぎる生地は考えものです。Suit-Yaには生地サンプルを送ってくれるサービスがあるので、それを利用すればよかったなと思います。

 

思えば安さを売りにする「オーダースーツ店」が増えましたが、高級生地が「〇〇円から」と謳う、その下限の生地を見るとやっぱり不足を感じるものです。低価格を謳うためだけに用意された、店側としても売りたい商品でもない商品だということが多いのですから。

 

結局Suit-Yaはアリなのかナシなのか

これは非常に難しい問題です。

 

結論は出せませんが、自分はどうかと言われれば、もう一度チャレンジしてみようかと思っていますので、それが一つの結論、すなわち「二度と頼むかボケ」とは思っていない、実用に耐える可能性を感じているということです。

 

やはり仕事用スーツは言うても消耗品、安さというのは、やはり魅力であり、サイズさえ合わせれば使えないことはないと思っています。

 

30万の吊るし(既製品)より3万円のオーダーです。

 

スーツは価格よりも体にフィットするかどうかの方が重要なのですから。

 

そこで私はこのスーツをお直しに出してみる予定です。

 

直すところと、概ねそのサイズまで明らかなのですから、マシにはなるはずです。おそらく気が乗らない月曜日にでも着るスーツとして使われるレベルにはなるでしょう。

 

ただし、「作業着的仕事着として」でしょうか。

これは今回のものに限らず、改めて作ったとしてもです。仮に生地を多少良いものにして、サイズをそこそこ合わせられたとしても作りの悪さは隠せないと思いますので、大事なシーンには使わないほうが無難だろうと私は思います。

 

なお作りの悪さを考えると、金額的には、出しても4万円台までだろうと思います。それ以上出すのなら、多少高くてもやはり実店舗で店員さんとコミュニケーションしながら作ったほうが、絶対に満足のいくものができると断言できます。

 

ともあれ私の初のネットオーダーは、お直しが奏功するのかどうかにによって、安物買いの銭失いに終わるのか、一つの選択肢ができてこれからのスーツ選びを多少変えるものとなるのかが決まることになります。

 

結果はおって書く予定です。が、Suit-Yaクオリティに関しては語りつくした感があり、それはSuit-Yaのというより、お直し店の評価になりそうな気がします。

 

ご参考になりましたら幸いです。

 

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説明書きはよく読みましょう

 

2022年5月11日追記 やっぱりナシだ

過日このスーツをお直しに出すべく近所のお直し店に行きました。

ざっと見積もって袖とウエスト直しで一万超えです。

「ジャストサイズ保証」か上述のとおり使えないものであるため、この時点で「作りの悪いスーツ」への投資額としては過大となりますが、さらに、袖丈は直せたとして、ウエストがきちんと直るかは不透明です。単に一部分を直せはいいものではなく全体のバランスに関わるからです。

しかも、奇跡的にイメージどおりになったとして、次回オーダーでこれを正確に伝えられる可能性は低いでしょう。

かくして、私はこれ以上のこのスーツに金をかけることはせず、高い授業料だと思って諦めることにしました。

 

結論から言うと、こうした顛末ですから、お得にいいスーツを買おうなどと言う向きには決しておすすめできるものではないことがわかりました。

 

もちろん私は二度と頼まないでしょう。

 

それほどこだわらない人ならいいかと言えば、それならば量販店の吊るし(既製品)を試着して買うのが良いでしょうから、これまたおすすめできません。

 

ちなみにこのスーツ、知人の息子が卒業式だか面接だか、一度しか着ないので買うのも…と言うので快く譲りました。誰かのお役に立てたのだからよしとしましょう。

 

お付き合いいただきましてありがとうございます。

 

 

インサイダー取引の謎

インサイダー取引の謎

  • パトリック・J・アダムス
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暖かさとは何か

東北は寒い冬の真っただ中です。

 

とりわけ北東北の内陸部にある我が町は雪も多く最低気温がマイナス2桁台ということも珍しくありません。

 

そこで、文字通り「死活問題」である家の暖房について考えてみた結果がなかなかに興味深いことになったので、シェアしてみたいと思います。

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概要としては、薪ストーブはかなり魅力的な存在で、金がかかるといわれているが、そうでもない。というものになります。長いですがご笑覧ください。

 

暖房に何を求めるか

そもそも自分が薪ストーブに興味が向いたのはなぜなのか?というのを分析してみました。暖房に何を求めるか?を考えた結果ですが、私の場合は、突き詰めると以下のようです。

 

(1)暖かさ

 言わずもがなですが、暖かさ。しかし、寒冷地に住む、住んだことがある方であれば、スペックこそが重要で、外の冷気を別世界のものにする高出力すなわち「確かな熱量」が必要であるということはご理解いただけるでしょう。

 こうした観点から、電気ストーブや熱源を問わず小型のストーブなどはそもそも眼中にないことになります。それはチワワがライオンに勝負を挑むようもので、どんなに頑張っても無理なもの、抗えないものがこの世にはあるのです。寒さとはそういうものです。

 

(2)やすらぎ

 暖かいということは単に気温が適温であることを意味するのではありません。せっかくなら家族で暖かさを囲み、外の冬の寒さと景色を、つまり冬を楽しめるような暖房がいいに決まっています。

 

この意味で弱いのがエアコンやファンヒーターで、それらは高性能のものを買えば確かに暖かいのですが、決してやすらぎはもたらさない。機械が絶えず発する送風音しかり、無機質なたたずまいなど、逆に人を遠ざけているような気すらしてきます。

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そうした理由から石油ストーブを買った時の記事です

 

(3)安心感

 命を守る生活の必需品としての「確かさ」、すなわち故障がなく、災害に強いことも重要です。そうなるとやはり強いのはアナログです。

世の中はデジタルこそ正義、住宅の暖房も、住宅を高気密化して省エネのエアコンで賄う方向に誘導されているように見えますが、身近で震災をみてきた身には、真冬に故障したら?停電したら?と考えると、よくそんなものに身を預けられるなと思わなくもありません。おまけに高気密化したおかげでシックハウス症候群とか、それを予防するために強制換気で結果冷気を入れるとか意味が分かりません。ともあれ他者にすべてをゆだね命を預けるのではなく、危機に際して自分の努力でなんとかなる部分があることは大きな安心につながります。

 

薪ストーブがものすごく魅力的に思える

上記の基準をかなり満足させそうなのは、数ある暖房器具の中でも「薪ストーブ」であると思います。

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「暖かさ」に関して。

コスト(同じ室温にするのにいくらかかるのか)を考慮しなければ、電気だろうがガスだろうが薪だろうが、等しく部屋を暖められる=温度は上げられることにはなります。

が、その暖まり方が違います。

すなわち熱風(温風)を電気の力で作り出し循環させることによって熱を得るエアコンやファンヒーターと違って、薪ストーブやいわゆる昔ながらの石油ストーブは、暖められた物体(ストーブ本体)から放出された赤外線が暖かさの源です。そのため、消せばすぐに室温が下がり寒さを感じるエアコンなどと違い、暖かさが長時間続き、身体も芯から温まります。

 

「やすらぎ」に関して。

これは、炎の力によるものでしょう。炎に引き寄せられるというのは人間が本来持っている本能だそうですが、炎を眺めているとそれだけで癒し、やすらぎが得られ、自然と人が集まります。

不安定な世界の中での昨今の焚火ブームも頷けるというものです。また最近はコミュニケーションを促進するために焚火をミーティングに導入するなどという話もありますね。おそらく、火には人をリラックスさせる力があるのでしょう。

加えて私の場合は幼少期を過ごした実家に薪ストーブがあり、そうしたセンチメントも影響しているのだろうと思います。

 

「安心感」に関して。

薪ストーブは原理、構造がシンプルです。各メーカーでいろいろな薪ストーブを販売していますが、薪を燃やして煙突から排気するという単純な仕組みは変わりません。多少叩いても雑に扱っても、電子部品ではなく鋳物だの鉄板だのによる大雑把な部品で構成されていますから致命的に壊れるということがありません。

また完全アナログで部品点数も極めて少なく、したがって修理や応急対応が可能です。

電気やガス、灯油の供給が災害で寸断されても、燃やすものさえあれば暖がとれるのです。

 

思えば震災のときにはあちこちで廃材をドラム缶で焼いて暖を取る光景をみたものです。また被害を受けなくても停電は起きたので、薪ストーブのある家に近所の人が集まったなどという話もありました。 

 

高気密高断熱、オール電化、スマホでピッと・・それは快適で夢のような話かもしれないけれども、実に脆いものなのです。人の記憶は5年とか言いますが、震災10年、脆さに頼る世の中、実に複雑な思いがします。

 

薪ストーブは高いのか

さて、そうはいっても薪ストーブは金がかかるのでとても導入できないではないか?

 

私もそう思っていましたが、必ずしもそうではないようです。ようやく本題です。

 

といいつつさらに前置きが長くなりますが、ここで金がかかるといわれる理由を整理してみましょう。

(1)導入時に金がかかる

  これは事実です。

  大まかに言って本体40万円、煙突40万円、工事30万円。個々のコストを下げることは不可能ではないものの、概ねここはイニシャルコストとして最低100万円かかるというのは避けられない現実のようです。

 

(2)メンテにも金がかかる

  多くの薪ストーブ(今更ですが、ホームセンターで売っているものとか、アウトドア用のペラペラなものではなく、薪ストーブ屋さんで売っているものです)の耐用年数は10年程度ということで、構造上実際にはそんな短期間で壊れることはないでしょうが、案外短いです。かつ、炉の密閉性を高めるための部品など消耗品があったり、煙突掃除の必要があったり、いちいち金がかかります。石油ファンヒーターをその都度買い替えてもいいレベルでかかります。

 

(3)薪の調達に金がかかる

  これも事実なのですが、実は冒頭に述べた興味深い事実というのがこれですので、現実と併せて述べてみます。あくまで理論上ということですのでご理解ください。

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  まず薪ストーブを導入し、薪をすべて購入で賄うとした場合の費用(薪代)は、北東北で考えるとだいたい13万円くらいになるようです。

ライフスタイル的に、夜間と週末利用、だいたい12月から3月までの4か月、120日間使用すると想定してのものです。

  

  以下、根拠をメモしますと

  ひと冬の薪の使用量の目安は、仙台の薪販売店のサイトを参考にしますと、「夜・週末のみで3㎥、日中から夜まで利用すると6㎥」とあります。 ㎥は、薪の断面の面積の合計です。ちなみに薪の長さは40センチです。

  これを、我が家は北東北ということで、「夜・週末のみ」とはいえ多めにみて5㎥と想定します。

 

 我が家の近くで安価に薪を購入できるところを探してみますと、管轄する森林組合で販売しているのが安そうです。配達料込みで5㎥で125,400円(税込)でした。

 

 ひと冬の暖房費で約13万円!ですが、ここで少しぐっとこらえて灯油代との比較をしてみます。

 

 灯油を使う石油ファンヒーターの燃費についてググってみると、概ね広いリビング用で1時間あたり27円程度というのが多そうです。電気代は問題にならないレベルという見解が多いようですが、合わせて30円で考えてみます。これを、1日8時間稼働させると考えると30円×8時間=240円/日ですから、冬期4か月だと28,800円です。

 

 灯油3万円に対し、薪13万円です。

 

やっぱりお話にならないレベルのように思えますが、一つ考えなければならないのが、薪ストーブは家じゅうを暖められる性能がある(カタログスペックと利用者レビューなどから)が、石油ファンヒーターはせいぜいリビングしか暖められず、極端な話、家じゅうを暖めようとしたら部屋ごとに稼働させなければならないということです。

 

あまり薪に幻想を抱き過ぎ、かつ灯油に不利な要素を上げるのもフェアではありませんから、石油ファンヒーターの暖房能力を薪ストーブの1/3だとしても、灯油代は3万円×3=9万円かかるという見方もできそうです。そうするとその差はぐっと小さくなります。

 

さらに面白いデータがあります。

灯油1Lで発生させる熱量は8771kcalです。

一方、これと同等の熱量を得るのに必要な薪の量は、約2kgだそうです。

 

上の「13万円」の薪の量から、2kgがいくらになるのかを考えてみると、

13万円の薪の量は325束(直径23センチ程度)とのことなので、一束当たり385円、重さが7~8kgだそうなので、8kgとすると2kgなら1/4ですからだいたい96円です。

 

つまり、同じように暖めようと思ったら、薪も灯油もコストは同じくらいだということになります。

 

自家調達できない限り薪ストーブは割高というのが世間の常識、私もそう思っていましたが、買っても同じだという結果は衝撃です。

 

もっとも、それだけ薪ストーブがオーバースペックなのだということもいえるかもしれませんが、灯油が、「安いのだが寒さを感じることがある」なら私は寒さを感じない方がいいです。暑すぎるなら窓やドアを開けて雪を見ながら半袖で過ごすほうが幸せではないですか。

エピローグ

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ということで、同じ暖かさを得るのに灯油代も薪代も一緒ということがわかりましたので、では薪ストーブに突っ走ることができるかというとそうではありません。

 

本体のイニシャルコストとランニングコストが高いことと、燃料費としての薪代は、熱量あたりは同じだといっても、ストレートに受け入れがたい額ではあります。相対的には高くなくても、高いは高いのです。

 

そこで、本体のコストと薪代の節約についてどう考えるかを最後に整理してみます。

(1)本体のコストについて

 経済面だけからみると、これを回収しメリットを出すのは難しく、冒頭で述べた理想の暖房像に照らし、十分に答えてくれそうなその価値をどう見るかということに尽きるというのが私のたどり着いた結論です。

 現段階では、その価値は十分にあると思っています。

 

(2)薪代の節約は可能なのかについて

 とはいえ(1)だけではその優れた暖房を維持していくのは現実的には難しいでしょう。いわゆる「理想だけで飛びついて失敗する薪ストーブの失敗例」になるだけです。しかし、この薪代を圧縮できれば、薪ストーブのある豊かな生活を無理なく送ることができるのではないか、経済面でも貢献できるのではないかと思います。

 

 そしてそれは不可能ではないのです。

 

 なにしろ田舎住まいですから、今こそその強みを生かす時です。

 車で2時間弱の生まれ故郷には親が残した山があり、それだけではなくリアル限界集落の当地には管理を止めた雑木林が数多くあります。

 

 そう簡単ではないでしょうが、これらを使って、消費する薪の1/3でも半分でも自家調達できれば燃料の自給自足に近づき、便利さを金で買う危うい生活から少し足を洗えて、大きな安心の得られる豊かな生活に近づけるのではないかと思うのです。

 

 果てしなく長くなりそうなので、続きはまたの機会に譲り、大いなる可能性と散財の予感に、そして北東北の寒さに身を震わせつつ駄文を世に送ります。

 

食料や燃料などで自給自足を少しでも取り入れていくことが安心な、そして豊かな生活につながるのだということに気づかせてくれます。震災後の2013年7月に発売されました。

里山資本主義

 

改めてダイエットについて真面目に考えた

明けましておめでとうございます。

 

2022年のテーマは何しろ健康

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健康でさえいれば何とかなるというかつての上司の言葉がなんとなくわかる昨今、昨年取り組んだ「ダイエット」には大いに反省すべき点が多いため、年末から仕切り直しを試みています。

 

このことは、とりわけ私同様の中高年の皆さんのみならず、以前の私のように間違ったダイエットをしている方には参考になるものかもしれません。お付き合いのほどをよろしくお願いします。

 

私の間違った「ダイエット」と弊害(経験談)

ダイエットが単に減量することではない。ということは、今なら理解できますが、不摂生とおそらくは加齢からくる基礎代謝の低下によって体重が増えた当時の私には、まず減量が喫緊の課題であったことから、とにかく食事量を減らすということに注力、カロリーの少ない食事の研究にいそしんだりしたものです。

 

(ちょうど1年ほど前です)

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消費カロリー>摂取カロリー ですから、当然目標体重までは順調に減りました。具体的に言うとこの間の体重の増減は5kgです。

 

しかし、この減量は期待するような身体への好影響をもたらしませんでした。すなわち腹回りの肉は思ったより減らない一方、全体的に筋肉量が減ったのです。

 

考えてみれば、一連の変化は、これまた今なら容易に説明がつき、

・加齢と運動不足で代謝が落ちる

・今までの摂取カロリーでは太る(摂取カロリーー消費カロリー=蓄積)

・摂食で 消費カロリー>摂取カロリー にしたから痩せる

・摂食=飢餓状態にすると、身体は生存維持のため代謝を上げる(燃費の悪い)筋肉をまずリストラする

ということになります。

 

したがって、これからの基本は、必要な栄養はとりつつ、筋肉を落とさないということになります。

 

何を食べたらいいのかわからない問題

いろいろ書いてきましたが、振り返ると至極当たり前のことに遅ればせながら(身体の犠牲をもって)気づいた。ということにすぎません。

 

ともあれこれで改心(?)したものの、実はアクションプランが明確になったわけではないことに気づきます。

 

必要な栄養を取る、健康的な食事をするというのは言われなくともわかっていそうなものですが、それが具体的に何なのかわからない、わかっていたとしても実践できるほど暇ではないということで、結局何を食べたらいいのかわからないということです。

 

加えて、自分の食事に関してそこまでストイックに研究、計算してまでメニューを考えることまでは面倒だからしたくないのが人情。なにかいい方法はないものか・・。

 

2022年のダイエットの実践

栄養補助の”主食”

そんな私がまず始めたのがこちらです。

完全栄養の主食 BASE FOOD

一言でいえばパンのサブスク。もちろんただのパンではなく、必要な栄養がカバーされたパンなのです。これが実に私の欲求を満たしてくれるものです。

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簡単に概要を述べますと、身体に必要な栄養素がすべて含まれているパンが個別包装されて毎月送られてきます。「完全栄養の主食」を謳っており、パンのほかにパスタがあり併せて”BASE FOOD”と称しています。(私はパンしか頼んでいない)

 

主食と言っていますが毎日毎食食べることが前提かというとそうではなく、1カ月当たり20食が(義務感・負担感の観点からでしょうか)推奨されています。私の場合は職場のデスクに常備しています。平日の昼食にすればちょうどよいからです。

 

これが実に優れたものだなと思いますので、以下にその良さを記します。

(1)早い

 これは、考えなくとも済むという意味では本当にそうだなと思います。とりあえず昼はこれだと思っていれば昼食難民にならずに済み、かつ昼食でバランスをとったんだという安心感につながります。

 

(2)安い

 パン1袋当たりが200円弱です。私は1袋で十分ですが、2袋でも400円弱。昼食に限っても、弁当持参しない限りは外食かコンビニかといった選択肢になるでしょうが、どう頑張っても500円はくだらないことを考えればコスパの良さが際立ちます。

 

(3)旨い

 肝心なのがここで、パンとして十分に旨い

 パン屋のパンのような小麦香る・・といった感じでもなければ、菓子パンのような不健康なおいしさとも違う旨さです。味にはプレーン、チョコ、シナモン、メープルのバリエーションがあり、メープルなどは好き嫌いがあるでしょうが私は幸いすべて旨いと思います。

 食感はサクサクふんわり系ではなく、もっちり系。製法によるものなのではと想像しますが、噛むので満腹感につながるのもよろしい。

 

 パンゆえに飽きる可能性はありますが、今のところその素朴さゆえなのかその気配はなく、しばらく付き合えそうです。

 

栄養管理

もうひとつがこちらで、摂取した栄養をアプリで管理することにしました。

これは、「何を食べたらいいのかわからない」にも通じますが、食べたものがいいのか悪いのか、食べすぎなのか足りないのかを、雰囲気ではなく可視化したかったというこです。

 

BASE BREADは確かに優れているけれども、1日の食事というのはそればかりではなく、トータルで考えたいですから。

 

導入したのがこちらです。

あすけん ダイエットのカロリー計算・体重管理・食事記録
あすけん ダイエットのカロリー計算・体重管理・食事記録
開発元:asken inc. (Tokyo)
無料
posted withアプリーチ
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食事の登録は、BASE FOODをはじめバーコードのあるものはバーコードの読み取り、家や外での食事は写真を登録すれば、結構な精度で解析してくれます。
写真解析は完ぺきではないですが、「まぁそんなとこかな」程度で流してあげるとよさそうです。
 
これをやってみてよかったのが、食事制限が間違っているということが明確に、グラフやデータで分かったということです。
 
とりわけ、食事制限時には極力遠ざけてきた「炭水化物」。これが、その習慣のゆえか、今の自分には極めて少ないということがわかりました。
 
また、案外空腹を我慢する必要はないのだ、言い換えればもっと食べてもいい、食べるべきだということが分かったのも何か得した気分です。
 
そうした気づきも得られるのと、先入観、思い込み、イメージで「ダイエット」に手を出してはいけないのだということなのでしょう。
 
 

筋トレ

最後に蛇足ですが、当然ながら筋肉を落とさないためには栄養を取ることを前提に筋トレをする必要があるということです。こちらも引き続き研究と実践を重ねたいと思います。

 

最後に

健康でさえいれば何とかなる。逆に健康を損ねると簡単なことができなくなります。

 

人生も折り返し、しかし子供に何を残せるかなどなさねばならぬことは山積みの気がする今日この頃、健康も計画的に管理していかねばとの思いが募ります。

 

最後までお付き合いいただいた皆様のご健康をお祈りします。

 

 

 

 

 

Barbourを3年着てみて

 

はじめに

今年もBarbourについて語る時期がやってきた。

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私が「縁のないもの」と思っていたこの服を着るようになったのが2年前のちょうど今頃だから、愛用3年目というわけである。

 

野暮ったい、縁のないもの、から愛用までの変節について、ご興味の向きは過去記事をご笑覧ください。

読み返して我ながら納得してしまった。そのとおりだなと、変わらず思っている。

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使い方について

3年目のレビューということだが、どのように使っているかということも参考になると思われるので振り返ってみると、普段使いということに尽きる。決しておしゃれ服ではない。

 

それほど気を使わず、かといって、この手の服に強いこだわりのある御仁がやるような強制的エイジング、すなわち熱湯かけたりあえて外で敷物がわりになんてことはしていない。

 

買ってすぐの頃は、埃がつきやすいというので着てはブラシをかけ、また周りの服にオイルが付くというので離して掛け、シーズンオフには裏返して保管したものだが、結局そこまで気を使う必要のないものというのが分かったので、そこも気をつけてはいない。

 

もっとも、念のため収納時は他の衣類と密着させないようにはしているから、長期間密着させてオイルが付くかは不明である。

 

そんな使い方で、まあ肌寒ければ引っ掛けて、庭いじりをしたり散歩をしたりと言った場面で羽織り、気が付いたら車のシートに丸まってたりと、そんな存在だ。

 

一言で言えばお洒落野良着だ。

 

経年変化について

そんな感じで付き合ってきたBarbourを、本稿を書くにあたってしげしげと眺めてみた。

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ポケット周りに

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前身頃

 

気が付いたこととしては、

  • 破れほつれは皆無
  • よく触れる部分にアタリが出てきた
  • 生地がパサパサした感じがする

 

ということだろうか。

 

これらについて私の評価を述べたいと思う。

 

まず耐久性は相当信頼できるものと言ってよいと思う。

 

作業着ルーツの服は数あれど、タウン仕様になってスペックを落とすものも多いが、その心配は無用のようだ。

 

その上で経年変化で顕著なのがアタリとパサツキということになる。

 

愛好家はこのアタリを生かし、オイルを補うということをやって品質保持を図りながら「育てる」というわけである。

 

結論から言うともう少しほっておくことにした。

 

オイルを塗ると潤いが戻って艶が増し、味が出る上に防水性が高まると言うわけだが、まだその段階ではない気がする。

(バブアー)Barbour ワックス ソーンプルーフドレッシング UAC0001 barbour-002

防水性などは、特段期待もしていないのだからなおさらだ。

 

もう一年くらい使い倒してから、その時の表情を見て考えてみよう。3年でも表情はだいぶ変わっているから、それは確かに楽しみなことである。

 

とりあえず、3年はノーメンテで気兼ねなく使える。というのを本稿のまとめとしたい。

 

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Barbourには落ち葉がよく似合う。

 

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大人ダウンジャケット問題に終止符を打ったMooRERについて

今回は、大人の装いのうち、ダウンジャケットについて記事を書きました。

ご笑覧ください。

 

はじめに

ダウンジャケット。

 

東北の厳しい冬を乗り来るには必須のものだと、寒さに弱い私などは痛感しているのですが、実にこれが悩ましい存在で、とりわけ大人にとっての選択肢が決して多くなく、そして安い買い物にならないのはご承知のとおり。

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前者に関しては、どうしてもダウンジャケットというとモコモコしているうえに余計なロゴが入っていたりと、大人の装いには使いづらい。寒さが堪える大人からダウンを奪わないで欲しいものです。

 

後者は言わずもがなですが、近年は特に値上がりが著しい。記憶が定かではないものの、定番のカナダグースなどは10年前の2倍近くするのではないでしょうか。

 

そういったわけで、毎年のように冬が来るたびに悩み、時には失敗してきた大人のダウンジャケット問題ですが、この度とうとう決着をみましたので、ご紹介したいと思います。

 

大人ダウンとは

 私が長年悩み、時に迷走しながら行き着いた大人ダウン像、それを説明するために、いかなる基準で”最後のダウン(たぶん)”を選んだかを述べたいと思います。

1 モコモコ感

 基本的に、ダウンの膨らみは暖かさの肝、ダウンの量によるものですから、モコモコしているから暖かいのだというのはいうまでもないのですが、ビバンダムのようなモコモコはどうしてもカジュアルかつ子供っぽくなりがちで、着こなしの幅を、とりわけ大人のそれを、大きく制限します。

 

 これをミニマムに、かつ暖かさをマックスにしつつ、すっきりしたデザインのものを。

 

アメリカン雑貨 サインプレート ブリキ看板 MICHELIN ミシュラン ビバンダム ビブグルマン ルート66 ガレージ インテリア アメリカンヴィンテージ BIKE 車 カリフォルニア ダイナー サーフ (MICHELIN)

2 丈(たけ)感

 多くのダウンはショート丈ですが、その一番のネックはオンで使えない、すなわちジャケットの上に着られないことです。上着の裾からジャケットが覗くほど間抜けなことはありません。

 

 オンオフ着るために、ショートではなくミドル丈のものを。

 

3 フード

 そしてフードのないものを。 

 

 ダウンジャケットのフードというものは寒冷地で作業をする人以外は基本的に飾りです。

 

 私はシンプルミニマムな方がいいのと、やはりフードは何かカワイイもの、子供染みたもののように思えて、ないものにこだわりました。これは好みの問題でしょうね。ダウンにフードはデザインの一部、それがないなんて!と感じる方もいることでしょう。

 

 事実多くのダウンジャケットはフードが付き物なので、この点、選択肢が狭まるわけですが、悩みがちな自分には、むしろ悩む要素が減って良かったというのが印象です。

 

MooRERの”MORRIS"について

 かくして、私の大人ダウン問題は最終的に MooRERの”MORRIS"で解決することになりました。

 

MORRISの特徴

 私はファッションバカでもショップの人でもありませんので素人的に述べますと、MooRERというイタリアのブランドは、こと高級ダウンジャケットに関しては、MONCLER(モンクレール)かHerno(ヘルノ)かDUVETICA(デュベティカ)かこちらMooRERかという存在と言われています。

 

 ダウンジャケットだけで無茶苦茶多くのモデルを擁している力の入れようなのですが、ショート丈のSIROというモデルがとりわけヒットしているようです。

 

 MORRISというのは、このSIROをミドル丈にしたモデルで、ダウンジャケットの特徴であるキルティングが縦に仕立てられていること、ボタンがダブル(2列に並んでいる)ということ、絞られたシェイプというのが大きな特徴でしょうか。

 

私が購入したのがこちらです。色はグレーベージュ。超絶スタイリッシュです。

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以下、私がダウンに求めていたものに対する評価の意味も込めそのインプレッションを述べたいと思います。

 

結論として不満はないので、基本いいところと、サイズ感についてです。

 

スタイリッシュ&ラグジュアリー

何しろシェイプがいい。

 

さすがイタリア。デザインに妥協がないですなぁ。絶妙なカーブで身体にフィットします。

 

ダウンジャケットのようなものは基本的に既製品を買うしかなく、身体の方から合わせに行くものであるところ、私は細長い体型なので既製品がなかなか似合わないと感じることが多かったのですけど、これは良い。

 

色も悩み抜き、しかも現物を見ることなくポチったので心配でしたが大満足。

光の当たり具合で表情が変わり、まさに大人の発色という感です。

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シルバーのようにもグレーのようにも。ベージュという感じではないかもしれません。

 

なお細かいけれども重要なこととして、MooRERの良いところは見えるところにブランドロゴがない(よく見ればあるけれど、これ見よがしではない)ことです。

 

およそ大人の装いで、ブランドロゴや文字ほど全てをぶち壊すものはありますまい。こういった姿勢も実に好感がもてます。

 

頼もしい暖かさ

機能面も完璧です。

タイト気味ゆえ気になるところではありましたが杞憂でした。まだ氷点下を経験していないものの、それでも一桁台の寒さで着ていますが、暖かい!

 

とくに、やっぱり尻がちょうど隠れる丈なのが、防寒の面でありがたみを感じる日々です。

この点でもミドル丈のお得感が最大化されると言うものです。

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首周りは気持ちのいいラビットファーでマフラー要らず。この大きさもいい。着脱可能です。

 

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ちなみにムーレーにはこのような対応気温チャートがついています。

 

この点はよく検証せずに買いましたが、このモデルはマイナス12度まで「快適」と言う表示です。そら暖かいわけですね。

 

サイズ感について

私は180センチ細長体型。選んだサイズは48です。

 

ムーレーは試着をしたことがあるので適正サイズはこれだなという確信がありましたが、ジャストフィット。

 

腕を下ろすと親指の第二関節に触れ曲げると時計がスッと見える感じです。

ちなみに袖口にリブなどがないのも個人的には好みです。締め付けられる(そのぶん暖かいのでしょうけど)のと、ヘタってくると物哀しくなるので・・

 

ジャケットの上から着ても窮屈ではなく、ファスナーを全部無理なく閉められ、それでいてルーズなところがありません。優しく包まれる感じで実に気持ちがいいです。

 

個人的には、よほど痩せてない限り180前後の人なら48、タイト気味ゆえ同じ身長で太ってたら50だろうなという感触です。

 

まとめ

私にとって大人のダウンジャケット問題は非常に長い間頭を悩ましたものでした。

 

一生モノだからといって散財をすること自体はいいけれども、時計や靴と違って、流行り廃りや年相応でなければならないといった要素があり、かつスーツのようなセオリーもない代物だけに、結果として「一生モノ」として機能せず、結果としてただ高い買い物をするというのは怖い。

 

しかしとうとう、長旅の果てに一生着られそうな一生モノを得た思いです。

本格的な冬が楽しみです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最近身体に起こったことと次なる一手について

年をとると味覚が変わるというのはよく聞く話で、自分自身も、今に始まったことではなく、徐々にそれは感じていた。

 

しかし最近我ながら驚いたのが、体調を崩さない限り、いや多少崩していても、欠かしたことのないビールが、無くてもいいものになった。

 

飲んでも旨いと思わない。

 

ものがビールなので加齢は関係ない気がするし、ビールが旨くないなんて別の病気じゃないかという気さえしてくるが、とにかくビールをここ数日飲んでいない。

 

ともあれ、飲まなくてもいいものなら別に飲まなければいいのであるし、その分金が浮くならそれに越したことはないではないか。旨くも感じないビールを惰性で飲み続けるなんて、金をドブに捨てているようなものだ。

 

そこで考えた。

 

同じドブに捨てるなら、ドブに捨てたと思えば納得できるハイリスクな投資の原資にしよう。

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少々倒錯している気もするが、そんな理屈をつけて、仮想通貨の積み立てを始めることにした。

 

断っておくが、私は今のところ仮想通貨をバクチだと思っている。

しかし、そうじゃない可能性もある。

 

そういった代物だから、投資の鉄則、「原資は余裕資金で。」その中でも「ドブに捨てたと思える酒代」を使うことに妥当性があると思うのである。

 

くどいようだが旨いならば、それはそれで意味のあるものだからビールをやめて蓄財をなんて思わない。この変化を、ちょっと面白そうなことに生かそうという話である。

 

仮想通貨はバクチと書いたが、まあギャンブルと言い換えてもいい。

ここでは利益を出すか損失を出すかを左右するのが確率のみであり、経験や論理的推測に基づいて投資するものではないという趣旨である。

 

もちろんこれは個人の考えで、仮想通貨に投資する人、進める人らからは笑われそうだが、将来仮想通貨が、まして個別のコインがどうなってるかなんて、誰も分かりはしないのは確かだ。

 

この方が仰るように「ビットコインは5000万になる」かもしれないし、ゼロになるかもしれない。

この方が責任を取れるわけがない。

ビットコインは5000万円になる!~億万長者になるために読むべき本~


ちなみに、ここまでいくばくかの興味をもって読んでいただいた皆様になんの参考にもならないだろうが、私は仮想通貨についてほぼなんの知識もない。

 

勉強もしていない。

 

それは怠惰の故ではなく、無駄だと思うからである。

先に述べたように推測など不可能、そのようなものを下手に勉強などしても情報に振り回されるだけである。

 

それで、まず適当に選んだコインを、ビール代くらいの(月にすればバカにならない)額で積み立ててみることにした。

 

積み立てというのも意味があり、短期で売買するようなことはしない。

 

そんなヒマはないし、それこそ真のギャンブル、情報に振り回された挙句最後には資金力で負けるというのは、FXで多少痛い目をみて学んだことだ。

 

www.kome100.com

(FXについては過去に記事を書いていましたのでご興味のある方はどうぞ)

 

やり方としては、毎月一定額を決めたコインを機会的に購入するよう設定、日々の値動きなどは見ずにほったらかす

 

この「ほったらかす」が何しろ精神衛生上よいし、これまでのところを見ても結果として好成績になるのではという気がしている。

 

自戒を込めて、この金はドブに捨ててもいいものと割り切って、10年後くらいに宝くじを当てるくらいのつもりで、ささやかな夢をみるのも一興だと思うのである。