親父の小言とボディーブロー

人生折り返しの子育て世代。世知辛い世の中を面白く生きるためのあれこれと雑記

我が家にコロナがやってきた

東北の冬は早い。

 

ついこの間、夏の盛りを過ぎようという頃にようやくエアコンを導入して、やれやれ残暑を凌げそうだと安堵したものだが、11月の半ばを過ぎたら一気に気温は一桁台、山間部では積雪の便りである。

 

とはいえ我が家のエアコンは寒冷地仕様、冬も恐るるに足らずと思ってたかを括っていたら、なんと温風が出ない。

 

買ったばかりなのに、である。暖房の働きを一度もしないまま室外機だけを虚しく回している始末。

 

運悪く暖房の不調に気づいた日がこれまた寒い日で、帰宅が遅かったうえに酒を飲んでいたというやつで暖房の調達にも行けない。

かくして布団にくるまって寒さに震えながら朝を迎えたという次第である。

 

エアコンの顛末は現在進行形なので別の機会に譲るとして、痛感したのが電力依存の危うさだ。なるほど現代人にとって電気は死活問題。

 

こんなことから、「石油ストーブ」を買うことにしたのである。

 

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選んだのがこちらである。

コロナ 石油ストーブ 対流型 遠赤外線炎筒 木造13畳/コンクリート18畳タイプ 5.14kW 日本製 小型 ホワイトフレーム タンク一体型 暖房 電池式 レトロ おしゃれ CORONA SLシリーズ

 

選定にあたって考慮したのは、

1 火が見えること

2 インテリアに合うこと

3 電気を使わないこと

の3点。

 

一つ目だが、炎は見た目にも温かいし、癒される。

近頃は焚火がブームであるが、それもこの効能を期待してのものであろう。

 

もっとも私は幼少期には薪ストーブを囲んで育ち、最近改めてそういうものへの再評価というか、回帰欲求というべきものがある気がする。

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(イメージ)

 

ともあれ、エアコンやファンヒーターのようなものは、電気を使う使わない以前に、何か落ち着かない気がするのである。

 

二つ目は説明の必要はないだろうが、冬の部屋に違和感なくマッチし、インテリアとしても成立していること。この意味でも、エアコンやファンヒーターというのはいかにも家電然として困った存在である。さすがに夏暑く冬寒い当地ではエアコンをつけないわけにはいかないが。

この点、いわゆる石油ストーブというのは機能美ともいうべき造形の美しさを備えたものが多いように思われる。

ところで「インテリア」「石油ストーブ」といえば

 

こちらが王様と言っていいかもしれない。

 

しかし、実はこれをかつて所有していたこともあるのであるが、これはストーブとしての用を犠牲にしてインテリアに寄りすぎのものだというのが私の印象で、何しろタンク容量が少なく給油が億劫であるうえ、火力も弱い。あくまで暖房としては脇役で、冬のインテリアなのである。

 

三つめも言わずもがなだが、電気を使わないというのは危機管理上必須の機能。東日本大震災の経験を引き合いに出すまでもなく、今回のたった一晩の寒さでもそれを思い知らされた。

ちなみにこの機種(たいていそうであろうが)着火に電池を使うが、電池が切れてもマッチやライターで点火すればいいからその点も気にする必要はない。アナログの強さといったところか。

 

かくして我が家にコロナがやってきたわけだが、使用しての印象を述べたいと思う。

見た目はもうしぶんない。

質実剛健、気取ったところもなく、「灯油さえ入れもらえば結構ですよ」とばかりに密かに、しかし頼もしくわが今の片隅、修理を待つエアコンの対角に昔からそこにいるかのように佇んでいる。

窓から見える炎の揺らぎも、上に乗せたやかんから立ち上る湯気も何とも言えず良く、時間を忘れて見入ってしまう。

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暖房能力も十分である。これまたファンヒーターをこき下ろして恐縮だが、風を身体にぶち当てて暖を得るのと違って、部屋全体がじんわりと温められるのがよい。

また、このタイプの石油ストーブの良さは加湿器替わりになるということだ。

天板にやかんや鍋に水を張っておいておけば、点火している間じゅう適度な湿度を供給してくれるのである。

 

もちろん煮込み料理もできるし、焼き芋も焼ける。

 

 

唯一、欠点らしいことと言えば、温まるまでに時間がかかるということであろうか。じんわりすぎるのだ。またアナログゆえ、最近の家電のように「外出先からスマホで操作」「タイマーであらかじめ温めておく」なんてことはできない。

 

もっとも、この点は、今なら楽しむことができるレベルの「不便さ」であり、アナログを楽しむ効能の方が大きいといえよう。エアコンが直れば速暖部分はエアコン、あとは石油ストーブと役割分担してもいいだろう。

 

総じて大満足のコロナ石油ストーブだが、この満足の正体を突き詰めていくと、やはり「安心」ということろがもっとも大きいように思われる。

すなわち、電力に頼らないということは非常時に安心だし、シンプルかつアナログな家電であるということは、壊れにくく、修理も容易だということだ。(構造上、およそ壊れるという事態は想定していないので、保証もつけなかった。)

 

これらのことがどれだけ心の平安に寄与しているかは知れない。

 

頼もしい相棒を得て、厳しい冬を心穏やかに過ごせそうである。