(追記あり)年会費の元を取るなど到底不可能なクレジットカードの話
コロナ禍で、そこに気付いてしまった人も多いのではないか。
SPGアメックス カードについてである。
先に言ってしまうと本記事で述べるような理由から自分はこのカードを解約したのだが、ある人柱の記録として参考にしていただければ幸いである。
さてこのカード、その年会費は31,000円(税抜)と高額。なんとなくお高いイメージのアメックス のカードの中でも、アメックス ゴールドよりちょっと高い。
しかし年に一度提携の「高級なホテル」の無料宿泊特典がつき、これには除外日がなく、すなわち繁閑に応じたホテル料金の違いを気にしなくてよいので、GWや休日前など料金の高い日に使えば、それだけで高額な年会費の元を取ることが可能と言われる。
自分は、これだけの理由でこのカードを申し込んだと言ってよい、
しかしである。
今年会費と引き換えにこの特典を手にしたわけだが(カードを解約しても、特典がなくなるわけではない)、とりわけ地方民にとって、この特典で年会費の元を取ることはおよそ不可能という現実にぶち当たっている。
まず旅行に行けない。
都市部では緊急事態宣言、おまけに当地では「県境を跨いだ移動」が自粛を要請されている。
強制力などないのだからという人もいるだろうが、それは田舎を知らない人の考えである。
自粛要請の中、これに従わず旅行に行ったことが発覚し、挙句万が一感染してしまったら、それは社会的死を意味するのが田舎というものなのだ。
それでも秘密裏に計画し、万全の対策をすれば?いや、ピュアな子供たちが秘密を守るとは思えないし、それを強いるのも親として間違っている。
かくして「年会費の元が取れそうな」このGWという期間に使えない。
もっともこの状況自体は、カードの責任ではないわけだが、ダメ元でカード会社に問い合わせたところ、甚だ疑問の回答が来た。
すなわち「旅行に行けないのに無料宿泊特典の有効期限はそのままなのか」に対し、「その通り。ご利用をご検討ください」というわけだ。
いや自粛要請に従う気ないんかい。
もう一つ見落としていたことがあり、いくら提携ホテルが高級と言っても、
そもそも一泊で元を取れるほど宿泊料金が高い日がそうあるわけではない。
しかも、提携ホテルが全て対象ではないというのも、地味に使いにくい。
言ってしまえば、「本当の高級ホテルは対象外」となっている。
だから、「そこそこのホテルの高い日」を選ぶことになるが、そこそこのホテルでは言うまでもなく元は取れないというわけだ。
実例で説明すれば、自分の場合、もっとも近場の提携ホテルを使うほかなかろうと調べてみたところ、GWの最も高い日でさえ33,000円、その他の日程で有効期間内の最も高い日が25,400円。
ハイシーズンでさえ元を取れないのである。
巷にはSPG礼賛情報が溢れているが、申し込みを検討している人、特に地方の人はよく考えた方が良いと思う。
ちなみにこのカードの特典はこれだけではないのだが、いずれも旅行に行く人向けなので当分は(要請や同調圧力を意に介さない人以外は)このカードでなければ、というものにはなり得ないだろう。
さて有効期限は8月のこの特典、元を取ることは絶望的となったわけだが、夏前に次のチャンスは果たしてやってくるのだろうか。
それとも第5波、第6波の前に、あえなくさらわれていくのだろうか。
2021.5.12追記
本日無料宿泊特典の有効期限の延長が発表されました。
2022.1.3まで。
これはこれで常識的な判断だと思いますが、「元を取るのはそれほど簡単でない」ことに変わりはありません。
夏休みに少しでもいい条件で使えたら恩の字です。