(雑記)zozo離れと靴の話
こんにちは。
アパレルの「zozo離れ」が加速しているそうです。
「ZOZO離れ」食い止めシフト。前澤社長はアパレルにくすぶる不満解消できるか | BUSINESS INSIDER JAPAN
以前こちらの記事で、zozoarigatoセールについて「売れ残りの処分かと思ったら靴まで安い」「おまけに社会貢献にもなるらしい」と靴好き消費者目線から歓迎した私ですが、全体を見ればそうめでたい話でもないようです。
本記事では、このzozo離れ問題の行方と、zozotownとの付き合い方について考えを述べたいと思います。ただし、「知ってる」と言われそうですが私は業界の人でも事情通でもありませんので、靴が好きなおっさんの戯言と思ってお付き合いください。
zozo離れとは
zozo離れとは、ファッション通販サイト「zozotown」への出店者であるアパレルが同サイトでの出店をとりやめ撤退する動きを指すようです。
てっきり飽きやすい消費者がzozotownで買い物をしなくなることかと思ったら売る側の話でした。
その原因は、
- 勝手に安売りをされ、ブランドイメージが傷つく
- 手数料が高い
- ビジネスの方向性が合わない
とアパレルがzozotownを嫌気し始めたということです。
勝手に安売りとはどういうことかというと、決定的なものが例のarigato会員対象の全品30%オフセールです。
すなわち年会費(3,000円)を払ってarigato会員に入会すれば、特典として入会月の買い物がもれなく3割引になるというもの。
それは決して値下げをしない高級靴も例外ではない、という衝撃的なものであるのですが、どうやらこれを、「値下げ分はzozotownが負担するんだからいいでしょ」とばかりに断行したという構図のようです。
確かに、アパレルとしてはたまったものじゃありませんね。イメージを含めて自社の大事な取扱い商品が他社のファストファッションなんかといっしょくたに一斉値下げされているようにしか見えませんからね。
バーゲン時期でもセール対象外のコーナーが定位置だった商品を量販店が客寄せのために赤字覚悟でもってけドロボーとばかりに叩き売るような話です。
実際、実店舗や自社の通販サイトでは正規の価格で売るので苦情も受けているとのことで、アパレル側のメリットは1つもありません。
また、「手数料」に関しては、商品が売れた時にzozo側に取られるものですが、これが3割と割高で、利用者の多いzozotownのプラットフォームを使えるメリットは大きいものの、今回のようなことが起きるにつけその不満が噴出といったところでしょうか。
「ビジネスの方向性」に関しては、自社製品を持たず単に商品を売るだけのzozoさんとものづくりのアパレルとで価値観の違いが顕著になってきたということのようです。
先の記事でもzozoスーツのデータを活用して立ち上げ大コケしたプライベートブランドについて「データと素材があればいい服ができるなんてそんな簡単なものではない」「アパレルビジネスやモノ作りをなめすぎている」と非難が集まっている。とのアパレル側の声を伝えています。
どうなるzozotown
zozotownの前澤社長のツイッターですが、100万円バラマキで集めたフォロワーが100万人減ったとか、撤退が濃厚なユナイテッドアローズとは仲がいいんですとかアピールをしたあたりを最後に、「本業に専念」するために休止しています。
希代のやり手実業家、ついに本気を出すようです。
激おこのアパレルとの仲を修復し、本当の意味での通販サイトとアパレルの融合を成し遂げることができるのでしょうか。それとももう覆水盆に返らずなのでしょうか?
株価の下落も食い止められるのでしょうか?
どうするzozoarigato
服を買って社会貢献のはずのzozoarigatoですが、商売の鉄則、売ってよし買ってよし作ってよしのバランスを見誤った形で暗雲が垂れ込めていると言えそうです。
行く末については素人の憶測などなんの価値はありませんので控えますが、言えることは2つだけだと思いますので、最後にそれを述べたいと思います。
高級靴が3割引ということはもうありえない。しかも現品限り
この先どう転ぼうとも今の割引を継続してやっていくということはあり得ないでしょう。
基本的に値引きをしない商品を扱うアパレルがzozotownに新しい商品を補充することはありえないからですね。
とすると我々が目にしているのは正規輸入の高級靴が3割引で売られている通販サイトの最後の光景になるわけで、在庫がなくなったらそれで終わりということです。
靴に罪はない
悩ましいのがここで、確かに靴愛好家の心理としても、愛する靴を不当に安売りをされたというしこりが残ります。
まさしく安ければいいというものではない複雑さがあります。間違いなく確かなものなのにブランドとは不思議なものです。
そういった「ケチがついた」商品を買って喜んでていいのかという気すらしてきます。
(通常価格も選べる)…
しかし、言えることは靴に罪はないということ。不幸にして叩き売られた格好の靴だからこそ愛好家として買って大切にしていくというのもアリなんじゃないでしょうか。
最後までお付き合いいただきありがとうございました!